大量生産をする金型には主に鋼が用いられます。鋼は鉄に炭素が加えられた合金です。
その種類は非常に多くプラスチック金型に用いられるものを紹介します。

樹脂種類主な成型品推奨鋼
PP,ABS自動車,家電S50C,SCM440
PC,PMMA,ABS自動車,光学部品SKD61,プリハードン鋼
POM,PA歯車,軸受けSKD61,プリハードン鋼
PC,PMMAレンズ,CDディスクSUS420J2
PVCパイプSUS
PBT-GF,PA-GFリレー,電子部品SKD11,プリハードン鋼
LCP光ピックアップ,ボビン,カメラモジュールSKH51,プリハードン鋼

上記の表のように成形材料によって鋼材を使い分ける事により、品質の良い成形品が作られます。
適切でない場合、成形による腐食や摩耗等により成形品の品質が悪化します。

鋼種の特徴

炭素鋼

S50C等の鋼材が分類されます。
加工性や値段に優れます。
生材または熱処理を施され一般的によく使用されます。

マルテンサイト系ステンレス鋼

SUS420J2、SUS440等が分類される。
熱処理によりステンレス鋼の中でも高強度・高硬度となり耐食性に優れます。

プリハードン鋼

NAK、HPM等の鋼材が分類されます。
熱処理済みの鋼材で在りながら、適度な加工性を持ちそのまま使用できる特性を持ちます。

工具鋼

SKD、SKH等の鋼材が分類されます。
工具鋼に分類されるだけあり、熱処理後高硬度(HRC50~60)になる特性を持ちます。
その為、生材時に加工もしくは熱処理後の放電加工等が一般的です。

熱処理について

焼き入れ

鋼を硬くする為に行います。
鋼を熱した後、急速冷却することで硬質、強度、耐食性、対疲労性を得られます。

焼き戻し

鋼を強靭にする為に行います。
焼き入れで得られた特性は硬さは在りますがもろいです。
そこで鋼を再加熱し、時間を掛けて冷やすことにより強靭性や粘りを持たせます。

焼きなまし、焼きならし

鋼を柔らかくもしくは組織を整える為に行います。
鋼を熱し、時間を掛けて冷やすことにより加工性、残留応力除去、組織均一化等の性質を改善できます。