流動解析とは

射出成形の過程における樹脂の挙動、ウェルドライン、圧力、温度、ヒケ、反り等をシミュレーションするツールです。
(CAE解析 : Computer Aided Engineeringとも言われます)
設計前段階においてシミュレーションを行うことにより予測される成形不良を発見し、対策をフィードバックすることで設計が最適化され試作サイクル修正コストの削減に繋げることができます。
また既存金型に対しても成形不良の原因を調べることができます。

解析手順

  1. 解析モデルの作成
  2. 成形材料設定
  3. 成形条件設定解析開始
  4. 解析結果

1.解析モデルの作成

基本的なモデル作成は以下の通りです。
金型や成形品のサイズによっては他にも工程が追加されます。

1-1 : 成形品をメッシュ化(3D-CADモデルを利用)
1-2 : メッシュ化させた成形品にスプルー、ランナー、ゲートを作成
(最初から全て3D-CADモデルでメッシュ化する場合もあります)
1-3 : 射出位置の設定を行います。

2.成形材料設定

解析ソフトの樹脂データベースから材料グレードを選択します。
データベースにない場合は代替え(類似)グレードの選択、もしくは樹脂データの
手配が必要になってきます。
樹脂データの手配について材料メーカーに問合わせをしデータを持っている場合
は支給してもらいます。材料メーカーでも持っていない場合は材料データの新規
作成になります(解析ソフトメーカー、材料メーカーの協力が必要となります)。

3.成形条件設定

成形材料を選択したら成形条件を設定します。
射出、P-V切り替え、保圧、冷却時間、樹脂温度、金型温度等基本的なものから
場合によって成形機スペックなどの設定も行います。

4.解析開始

必要な設定を全て完了したら解析スタートとなります。
解析エラーが発生する場合はエラー箇所をみつけ修正します。
解析時間に関しては解析するモデルの容量により変わり、容量の大きいモデルは
開始期時間も長くなってしまいます。

5.解析結果

解析が完了すると解析結果が吐き出されます。
以下に一例を挙げます。

流動解析

一例 : 充填解析結果 → 成形品に流れる樹脂の挙動が確認できます

流動解析の注意点

解析ソフトの精度は年々向上されていますが、それでも実物の成形品が必ずしも解析結果通りに成形されるとは限りません。
先ずは解析モデルの精度、樹脂データの精度、各設定がどれだけ現実とマッチングしてるかによって解析精度が変わってきます。
また実際試作を重ね蓄積されたデータと解析結果を併用していくことにより精度のある予測や不良改善に対応することが重要です。